WSUSのメリット・デメリット解説!Windows 10/11アップデート管理の課題を解決する方法

2024年10月14日に、サポート期限の終了が決定しているWindows 10。ESUの提供は発表されているものの、これを機にWindows 11への移行を検討する企業が増えてきています。

Windows 11への移行をおこなうにあたって、管理者を悩ませているのが更新プログラムのアップデート管理です。

この問題はWindows 10が発表された当初から大きな話題となっていましたが、テレワークや業務効率化などIT化が推進される現在、改めて注目されています。

特に導入が進んでいるテレワークに用いる機器は、アップデート管理を社員任せにしていると、機器の状態が不透明になり脆弱性が放置される危険性が高まります。社外にある機器も含めて、セキュリティレベルを維持できるよう、あらかじめ管理体制を整えて対策する必要があります。

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悩ましいアップデート管理の解決策には「WSUS」

Windows 10/11の更新プログラムは、各機器へインターネット経由で提供されています。特に半年または1年に1度配信され、OS本体をアップデートする機能更新プログラムはファイル容量が大きく、適切に更新管理をおこなわないと様々な問題を引き起こします。
社内にある機器はもちろんテレワーク機器に関しても、強制的に配信が開始されてしまうとネットワークに負荷がかかり、"インターネットがつながらない"、"仕事にならない"といった状況に陥ることがあります。
また、更新プログラムが適用されたことによって、これまで使用していた業務システムに不具合が生じる、操作方法が変わり社員が混乱してしまうという事態にもつながります。そうなると、業務に多大な影響を及ぼすほか、情報システム部門への問い合わせが殺到する可能性があります。

このような問題を回避するため、「WSUS(Windows Server Update Services)」の導入を検討されている方も多いのではないでしょうか。WSUSは、無償で利用できるMicrosoftが提供するサーバーアプリケーションのことで、管理者による更新プログラムの集中管理を実現します。
インターネット上にあるMicrosoft アップデートサーバーから各種更新プログラムをWSUSサーバーに保存し、WSUS上で設定したポリシーに応じて、WSUSサーバーから各機器へ更新プログラムを配信・適用することができます。
Active Directory(AD)を用いて、適用対象をグループ化したOU(Organizational Unit:組織単位)を作成することで、任意のグループ単位での適用も可能です。
しかし、便利なWSUSにもデメリットがあるため導入に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。 まずはWSUSのメリット、デメリットを整理してみましょう。

WSUS導入 メリット・デメリットまとめ

WSUSのメリット
・ネットワーク負荷の軽減
・更新プログラム適用の集中管理の実現
・ADを用いたグループ分けで、全体配信前にテストが可能
・更新プログラム適用状況の把握

WSUSを利用することで、クライアントPCが直接インターネットにアクセスして更新プログラムをダウンロードすることを防ぎ、ネットワークの負荷を低減できます。ネットワーク帯域の一部にトラフィックを制限することも可能で、安心です。
また、更新プログラムの種類とそれを適用するタイミングやグループを設定できるため、検証機にまず適用し、問題のないことを確認してから各機器へ適用するといった運用が可能になります。提供された更新プログラムにあわせて、特定のグループのみに配信するといった運用もおこなえます。
このように、WSUSでは更新プログラムの集中管理ができるので、勝手にアップデートされることもありません。また、適用状況をレポートで確認できるため更新プログラムの適用漏れを防ぎ、IT環境の統制にも効果を発揮します。

WSUSのデメリット
【導入前】
・WSUSを構築するサーバーの調達が必要
・ADの構築(OU情報の管理)が必要

【導入後】
・Active Directoryに参加していないPCの管理が難しい
・配信のグルーピングが柔軟におこなえない(OU単位に限られる)
・管理画面が使いづらく、適用状況のレポートも分かりづらい
・「アップデート失敗」などのトラブルが起こる、対応に時間がかかる

WSUSを利用する場合、サーバーの調達やリソースの確保がネックとなる場合も少なくありません。WSUS自体は無償提供されているものの、中小企業では費用面でも運用面でも負担が大きすぎるという声もあります。
また、WSUSはAD(OU)と連携して活用することを前提に作られているため、AD環境がないとグループ単位での配信管理ができません。これまでADを活用していなかった方は、まずその構築やOUの作成などからスタートしなければいけません。

導入後も、実はOU単位でのグルーピングだけでは効率的な管理が難しく、ADに属さないPCがある場合はさらに機器ごとの対応が必要になるなど、企業それぞれの環境にあわせた柔軟な運用ができない場合があります。
その他、そもそもWSUSの管理コンソールが見づらい・使いにくいという声も多く、設定や状況確認が手軽におこなえないという課題もあります。
さらに、配信・適用に失敗した場合、どのPCがどのような原因で失敗したのかを把握できず、WSUSから適用を繰り返しても失敗が続いてしまい、結局現地対応が必要になるなど、適用に時間を要することもあります。

このように、一長一短のWSUS。
せっかく導入したものの使いづらさを感じている方や、導入に踏み切れないという方は、一度「IT資産管理ツール」の活用を検討してみてはいかがでしょうか?

デメリット解消にはIT資産管理ツール。テレワーク時にも有効

IT資産管理ツールとは、その名の通りPCやサーバー、ソフトウェアなどのIT資産を管理するソリューションです。更新プログラム適用管理の機能が充実した製品も多くあります。
WSUSを利用されている場合、IT資産管理ツールを組み合わせて活用していただくことで、WSUS利用時のデメリットを解消できます。また、IT資産管理ツール単体でも更新プログラムの配信・適用をサポートするため、WSUSを利用されていない場合も、リソースの消費を抑えた運用が可能になります。
WSUSを利用されている、もしくはこれから導入する予定で課題をお持ちの方、WSUSの導入予定がない方、いずれにもIT資産管理ツールの活用がおすすめです。

当社でご提供しているIT資産管理ツール「SS1」は、更新プログラムの管理に強みを持つ製品です。
SS1では、テレワークなどで使用する持ち出し機器についても、更新プログラムの適用を一元管理し、状況を把握できます。例えば、持ち出し前に最新状態にアップデートし、テレワーク中はアップデートされないようにするといった設定も可能です。
機器を持ち出している際に緊急性の高い更新プログラムがリリースされた場合は、使用者自身でインターネットから直接取得し適用するように、メッセージ配信機能で伝えるなどの運用もおこなえるため、状況に合わせた管理が可能です。

ここからは、WSUSの導入状況別でSS1が役立つポイントをご紹介していきます。

WSUS導入企業向け:更新管理を効率化するSS1活用ポイント

まずは、SS1をWSUSと連携して用いた場合、どのようにWSUSの課題を解決できるのかをご紹介いたします。

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1.配信対象のグループ分け、スケジュール設定が柔軟に 
WSUSとSS1を連携することでOU単位だけでなく、「部門」「機器の設置場所」「業務内容」などのIT資産情報をベースにしたグルーピングがおこなえます。加えて、配信・適用のタイミングも細かく指定した配信設定を作成できるため、業務を妨げるリスクをより軽減できます。
ADの構築やOU情報の管理をすることなく、更新プログラムの運用を効率化できます。

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2.配信状況や設定の確認が手軽に
SS1では、作成した配信設定ごと、機器ごとに更新プログラムの適用状況を一覧で確認できます。配信の進捗率や、適用が完了していない機器を一目で確認でき、さらにOSバージョンやビルド情報まで把握できます。

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また、SS1の「日報機能」では更新プログラムの適用状況を日ごとに見ることができます。SS1の管理画面から手軽に状況を確認できるので、適用できていない機器への対応を迅速におこなえます。

3.配信に失敗した機器/ADドメイン不参加への対応も可能
WSUSで機能更新プログラムを配信できない機器(WSUSで配信に失敗した機器や、ADのドメインに不参加の機器)も、SS1を用いた対応が可能です。
複雑なIT環境でもセキュリティーホールを放置せず、安全な環境を保つことができます。

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4.複数のWSUSサーバーを一元管理
拠点数が多い場合や、トラフィックの遅延がよく発生する拠点がある場合は、各拠点にWSUSサーバーを設置し、分散管理する運用が主流です。しかし、台数が増えると、WSUSサーバー自身を管理する手間も増えてしまうことになります。
それらの各サーバーとSS1を連携させることで、配信指示や更新プログラムの適用状況を一元管理できます。PCが拠点間を移動した場合にも、自動的に参照先のWSUSサーバーを変更するので、PCの移動に併せて設定変更する手間がかかりません。

また、WSUSは同期した更新プログラムの情報を蓄積し続けます。そのため定期的にメンテナンスしなければ、パフォーマンス不足により様々な問題が発生しやすくなるため、WSUSサーバーはクリーンアップなどのメンテナンスが必要となります。
SS1では、WSUSのクリーンアップウィザードを自動で定期実行する設定が可能であるため、トラブルやエラーの発生を防ぎ、スムーズなWSUS運用を実現できます。

WSUS未導入の企業向け:更新管理をサポートするSS1活用ポイント

SS1を用いれば、WSUSがない環境でも機能更新プログラムなどの配信を管理できます。
更新プログラムの管理をはじめるにあたりWSUSの導入がネックになっている方、複雑なIT環境での管理に悩まれている方も安心です。

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1.WSUS構築のコスト、手間をかけずに更新プログラムを管理
SS1単体で更新プログラムの管理がおこなえるため、WSUS導入時の作業負担とコストがかかりません。
さらに、SS1は更新プログラム管理以外にも、各種IT機器の台帳管理をはじめ、ソフトウェア管理、ネットワーク管理など、IT環境の統合管理に活用できる機能を多く搭載しています。社内の状況を可視化し、情シス部門の業務を効率化できるメリットもあります。

2.更新プログラムの受信設定を一括で変更
ADに参加していない機器も含めて、SS1でクライアントPCのWindows Update受信設定を一括で変更できます。適用延期やアクティブ時間の設定、適用後の再起動通知の有無などを一括でコントロールでき、ユーザーが勝手にアップデートしてしまうことを防止できます。また、更新プログラムのダウンロードに使用する帯域幅も設定できるため、ネットワーク負荷軽減に役立ちます。
この機能はWSUSと連携する場合にも活用できるため、WSUS管理対象かそうでないかで、細やかに設定を分けることが可能です。

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3.機能更新プログラムの適用・状況把握
SS1が、WSUSに代わって機能更新プログラムの適用に活躍します。
機能更新プログラムを取得・実行する時間帯や、取得先のサーバーを任意で指定でき、更新プログラムごとや機器ごとの進捗状況も簡単に確認可能です。機器が個別でインターネット上に機能更新プログラムを取りにいくことがないので、ネットワークへの負担や業務への影響を抑えられます。

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複数拠点を管理する際や回線の弱い環境へ配信をおこなう際などは、ファイルサーバーにデータを設置することでLAN内へ展開したり、配信時の帯域制限をかけたりすることで、より負担を軽減できるので安心です。
また、Wake on LANを用いて夜間など業務時間外にPCの電源をONにし、更新プログラムを適用させる運用も可能ですので、メンテナンス業務の効率化が実現できます。

4.LTSC利用時など、セキュリティ更新プログラム配信が可能
SS1のMSアップデート機能で、配信する機器やスケジュールなどを細かく設定して、セキュリティ更新プログラムを適用し進捗状況を把握することも可能です。
医療用・工場用など「長期サービスチャネル(LTSC:エルティ―エスシー)」で運用する特定用途PCの場合、通常のクライアントPCのような定期的な機能更新プログラムの適用は不要になります。しかし、セキュリティ更新プログラムについては脆弱性対策として継続的に提供されるため、適用管理の必要性があります。このようなシーンでMSアップデート機能は大いに活用できます。

まとめ

Windows 10/11のアップデート管理を効率的におこなうために、WSUSの利用を検討されている方も多いかと思います。しかし、実際にWSUSだけで管理を進めるには課題も出てきます。それを補完できるのが、「SS1」をはじめとしたIT資産管理ツールです。
テレワーク実施企業が増加している現在、社外に持ち出す機器も含めた適切な管理が求められています。企業の状況・環境に合わせて、WSUSが必要かどうかということから検討し、自社の方針に寄り添ったWindows 10/11のアップデート管理ができる環境を整備しましょう。

●Windows 10/11アップデート管理関連機能の詳細はこちら
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著者プロフィール
SS1LAB編集部
IT資産管理ツールSS1/SS1クラウドを開発・販売している、株式会社ディー・オー・エスの営業企画部メンバーで構成されています。IT資産管理・ログ管理・情報セキュリティ対策など、情シス業務の効率化に役立つ最新トレンド情報を随時発信中!

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