日本マイクロソフト佐藤氏が語る、Windows 10のセキュリティ――「System Support Day 2019」レポート②

2019年8月27日(火)、当社は東京コンファレンスセンター品川にて、Windows 10最新情報とIT資産管理について学ぶスペシャルセミナーイベント「System Support Day 2019」を開催しました。

レポート第2弾の本記事では、日本マイクロソフト株式会社様よりWindows 10のセキュリティと更新管理のポイントについてご紹介いただいた基調講演をレポートいたします。
基調講演には、Windows関連のテクニカルマーケティングに従事されている日本マイクロソフト株式会社のコマーシャルエバンジェリスト 佐藤 実様が登壇。Windows 10のセキュリティ強化ポイントや、更新プログラムの管理手法をご紹介いただきました。

【「System Support Day 2019」レポート】第1弾第3弾はこちら

マルウェアやゼロデイ攻撃と、"素で勝負"できるWindows 10

佐藤様は講演の冒頭で、「Windows 7の延長サポート終了=セキュリティ更新プログラムの提供終了であり、Windows 7を利用し続けることはセキュリティの脅威に対して無防備になることだ」と明言。ここ数年急増しているセキュリティ脅威にも触れ、Windows 10の利用を推奨されました。

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(日本マイクロソフト株式会社 コマーシャルエバンジェリスト 佐藤 実様)

「Windows 10のセキュリティはマルウェアやゼロデイ攻撃と"素で勝負"できる強さがある」と語る佐藤様。
その理由のひとつとして、全てのWindows 10に標準搭載されている「Windows Defender Exploit Guard」を挙げられました。
標準搭載でありながら、攻撃者による脆弱性の悪用を緩和し、ランサムウェアなどによりファイルが暗号化されることを防止できるなど、充実したセキュリティ機能をご紹介いただきました。

また、Proエディションから搭載される「Windows Information Protection」や「Windows Defender Application Guard」、「Windows Sandbox」については、どのようにセキュリティリスクを低減できるのかデモンストレーションを交えご紹介いただいております。
各機能の起動から、社外秘データをWebアップロードしようとした場合に禁止される様子など、一連の流れをスクリーン上でご紹介いただき、Windows 10のセキュリティの有用性を肌で感じられる実演でした。

「Windows Defender ウイルス対策」って大丈夫なんですか?

では、Windows 7からセキュリティ機能として実装されている、ウイルス対策機能の性能はどうでしょうか。

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Windows Defenderウイルス対策は、第三者機関の「SE Labs」や「AV-Comparatives」の調査において他社製品と同等の高い評価を得ており安心してお使いいただける、と語る佐藤様。続けて、ウイルス対策は今や必要最低限のセキュリティであり、コストをかけないのが昨今の潮流。その点でWindows Defender ウイルス対策を活用いただくのも有効であると示唆されました。

「WaaS」により常にセキュアなWindows 10を維持

そして、Windows 10を利用するにあたっては、その「更新」が欠かせないということで、Windows as a Service(WaaS)についてもご説明いただきました。
Windows 10では「品質更新プログラム」と「機能更新プログラム」の2種類が配信され、最新の状態に更新することで、常にセキュアな環境を保つことが可能になっています。

講演では、その更新プログラムの提供形態(チャネル)の最新動向から、更新プログラムの管理方法について言及。Windows Update for Business・WSUS・SCCMなど様々な管理方法があるなかで、今回はWindows Update for Businessについて詳しく説明していただきました。

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(講演資料より引用)

Windows Update for Businessは、お使いのWindowsユーザーインターフェース上の設定、Active Directory(AD)のグループポリシー設定、もしくはWindows Intuneの利用により、各種更新プログラムの適用タイミングを調整、延期できます。なかでもWindows Intuneは、更新プログラムの管理に限らず、デバイスやアプリケーションの管理をクラウド上でおこなえるツールとして紹介されました。

Windows 10 Enterpriseエディションのメリット

また、講演の終盤では「Enterpriseエディションは決して大規模企業だけのものではない」と、そのメリットを語られました。

まず1点目は、2018年秋以降にリリースされる機能更新プログラムのサポート期間が30ヶ月に伸びるという点。通常の18ヶ月間から大幅に延長することが可能で、検証・展開などの段階的な運用がよりスムーズになります。

2点目は、Enterpriseエディション以上で利用できる、より高度なセキュリティ機能の存在です。特徴的な機能である「Application Control」や「Credential Guard」のご紹介として、Windows 7と10を比較したデモンストレーションもおこなっていただきました。
Windows 7環境では、不正なアプリケーションのインストールや、ハッキングツールによるパスワードの抜き出しが容易におこなえるのに対し、Windows 10 Enterpriseエディションでは、その被害にあうことを回避できるなど、性能の差は歴然でした。

また、その他にも豊富なセキュリティ機能を実装、アプリケーションの互換性に問題があった場合には直接Microsoftの支援を受けられるサービスがあるということから、佐藤様は上位エディションの活用もお勧めされていました。

最後に...

Windows 10は、継続的に更新し機能を活用することで、組織やビジネス全体に前向きな変化を促す仕組みである。これからの日本の企業において、効率的に、そして成果の出る仕事をしていくうえでWindows 10は重要な役割を担っている、と佐藤様は講演を括られました。

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「System Support Day 2019」は講演いただきました日本マイクロソフト株式会社 佐藤様、並びに関係者の皆様のおかげで、大盛況のうちにイベントを終えることができました。
ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。

「SSLAB.」では毎月、情報システムご担当者様のお役立ち情報を投稿しています。Windows 10への移行や、更新プログラム管理に関する記事もご用意しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

●Windows 7からWindows 10へ。移行準備はできていますか?
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著者プロフィール
SS1LAB編集部
IT資産管理ツールSS1/SS1クラウドを開発・販売している、株式会社ディー・オー・エスの営業企画部メンバーで構成されています。IT資産管理・ログ管理・情報セキュリティ対策など、情シス業務の効率化に役立つ最新トレンド情報を随時発信中!

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